長い間、専業主婦だった50代です。将来、夫が先立つと年金受給額が減るのが心配です。今からできる対策はありますか?

どのくらい生活費はかかりそうですか?

専業主婦でいらっしゃると、ご自分が受け取れる年金は、満額で年間80万円弱の国民年金がベースになります。
そのため、旦那様に先立たれた時のことを考えて、お金の面で心配になられるお気持ち、分かります。

そこで、最初におすすめしたいことは、「支出の見通しを考えてみること」です。
これは旦那様とおふたりで過ごす時、先立たれてあなたがおひとりになった時、それぞれについて考えてみることが、不安を和らげることにもつながります。

総務省が出している家計調査によると、65歳以上の無職世帯の1か月の支出として、ご夫婦2人で約26万円、おひとりの場合約15万円という金額が平均として示されています。
あくまでも平均なので、個人差はありますが、ひとつの目安として捉えて頂ければと思います。

年金事務所で、見込額の確認を!

支出の次は、収入を確認します。
ねんきん定期便やねんきんネットなどでも確認ができますが、お時間許せば、年金事務所で相談してみるのが良いと思います。

あなたと旦那様、それぞれの加入履歴と受け取れる年金の見込額を知ることができれば、支出の見込と合わせて、年金で生活費が足りるのかどうか、をより具体的に考えられるようになります。

もし旦那様が会社勤めで厚生年金に加入されていれば、先立たれた後は「遺族年金」をあなたは受け取ることができます。
そこで、先程伝えた見込額の確認と合わせて、旦那様が先立たれた場合に受け取れる遺族年金の見込額も確認することをおススメします。

最初にお伝えしたように、専業主婦でいらっしゃると、国民年金がベースになりますが、収入の上乗せ分となる遺族年金の見込も分かれば、不安な気持ちも少しは和らぐのではないでしょうか?

今から備える自助努力

老後は、年金が収入の柱の1つになるとは思いますが、仮に、先程確認した年金の見込みで、生活費をまかなえる結果が出たとしても、自助努力でできる対策は、しておくに越したことはありません。

そこでできる対策としては、大きく2つ。

  • 今からでも興味があることで働いて稼いでみる
  • イデコやNISAのような制度を利用しながら、お金を運用して備える

1つは、今からでも興味があることで働いて稼いでみること。
これは単に収入を得るためだけでなく、気持ちの張り合いにもつながるので、興味があるお仕事があればおススメしたいです。

もう1つは、イデコやNISAのような制度を利用しながら、お金を運用して備えること。
50代というご年齢を勘案すると、年数的にNISAの方が活用しやすいです。

一例をあげますが、毎月3万円を15年間つみたてNISAを使って、年利3%で運用できたとします。
その場合、15年間でつみたてた元金540万円はいくらになると思いますか?

答えは、約680万円です。
15年という時間はかかりますが、約140万円、お金を増やして、70歳以降などに備えることが、今からでも充分にできるのです。

ここまでお伝えしてきたように、順番としては、最初に、生活費などの支出の見込を考える。
次に、受け取れる年金の見込額を確認する。
最後に、自助努力として、働くあるいは運用するなどで備える。

将来、仮に旦那様に先立たれたとしても、今の内から見込額の確認やお金の備えなどの対策を行うことで、 将来の不安も和らぐのではないかと私は考えています。

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斎藤 岳志 >>プロフィールをもっと見る

某百貨店に3年ほど勤務。色々な方との触れ合いを通じて、サービス・接客・対人関係の基礎を身につける

百貨店在職中に、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、資格取得をしたことをきっかけに、数字を扱う仕事に興味がわき、転職して、経理・税務という職種を経験。自身の強みとなっている。

また、プライベートな部分でも、株式投資に始まり、信用取引や商品先物取引、投資信託やFXなど、投資と名のつくものはだいたい経験し、その経験を経てくる中で、一番自分の性格とうまの合った不動産投資を2007年にスタートして以来、自分の資産運用に関しては、中古マンション投資を中心に金融資産の運用不動産を組み合わせたバランスを意識して取り組んでいる。

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