住宅ローンがあっても不動産投資ローンは組める?条件と注意点をFPが解説

「住宅ローン」と「不動産投資ローン」

仮に同じ部屋を購入しようとしても、それが「自分で使うため」か「他者に貸すため」かで、金融機関の見方や審査の仕方も変わってきます。

今回は「不動産投資ローン」にスポットをあてて、住宅ローンとの違いや注意点などについてお伝えしたいと思います。

住宅ローン返済中でも、不動産投資ローンは組めますか?

最初に結論から言ってしまえば、住宅ローン返済中でも、不動産投資ローンを組むことは可能です。
もちろん、誰もが組めるわけではなく、一定の条件があります。一例をあげてご説明します。

不動産投資ローンを扱っているA銀行が、ローンの貸出金額の上限を、年収の10倍にしていると仮定します。
もしあなたの年収が800万円だったとすれば、10倍なので、8,000万円まで借りることが基準上は可能です。

ただ、この上限の基準から、すでに借りているローンの金額を差し引いた金額が上限になります。

このすでに借りているローンには、住宅ローンだけでなく、自動車ローン、携帯電話の分割払いの残債なども含まれます。

もしあなたの住宅ローンの残債が5,000万円あったとしたら、A銀行の基準にあてはめると、8,000万円-5,000万円=3,000万円となり、住宅ローン返済中でも不動産投資ローンを組むことはできますが、3,000万円が上限になる。

上記はあくまでも一例ですが、金融機関によって、審査の基準は異なります。

組めるか組めないかは不動産投資ローンを申し込む金融機関次第と考えて頂ければと思います。

不動産投資ローンの審査では、何を見られますか?

基本的には、住宅ローンの審査に近い部分はありますが、もうちょっと細かな点まで見られるのが、不動産投資ローンの審査だと私は感じています。
不動産投資は、投資と言うよりも家を貸す賃貸業という括りで捉えられることが理由だと私は考えています。

審査の対象として見られる内容は、

  • 源泉徴収票(過去3年分が多い)
  • (申告書を提出していれば)確定申告書(過去3年分)
  • 金融資産の保有額(株式、投資信託、生命保険の解約返戻金など)
  • 住宅ローンなどすでに借りているものがあれば、その返済予定表・残債の金額
  • 賃貸住まいの場合は、現在の家賃
  • 年齢
  • 扶養家族の有無、人数
  • 勤務先の会社名や役職
  • 勤続年数
  • (保有している不動産があれば)所有物件の一覧

金融機関によっては、見なかったり重視しない項目があるケースもありますが、基本的には、上記項目が審査対象として見られると思っておくのが良いと思います。

まだ、不動産投資ローンの審査をあなたが経験されたことがなければ、1度、自分自身の資産や負債の棚卸しのような意味合いも兼ねて、一覧にして現状を確認してみることをオススメします。

もし、不動産投資ローンの審査を結果的にしなかったとしても、自分の現状把握ができていることは、今後の資産運用、資産形成を進めていくにあたっても、大切だと私は思うからです。

「住宅ローンを投資用物件に使う」のはNGって本当?

最初に結論から言うと「本当」です!

不動産投資ローンと比べると、住宅ローンの方が金利も低いので、住宅ローンで借りて、賃貸に出すと有利な運用ができる。
だから使いたい、と思う気持ちは分かります。ただ、これは明らかな契約違反となります。

住宅ローンにせよ不動産投資ローンにせよ、ローンを組むときには「金銭消費貸借契約」を交わすのですが、その資金使途に住宅ローンであれば「自分が住むため」、不動産投資ローンであれば「賃貸事業用」というような内容の文言が記載されることになります。

そして、この資金使途に違反したことが分かった場合には、「一括返済を求める」という文言の記載もあるのです。

これを「期限の利益の喪失」と言って、あなたと金融機関の信頼関係に則って交わした契約を、あなたが約束破ったなら、この契約無かったことにします。全額、今すぐ返して下さい。というような意味合いです。

実際に、ニュースなどでも、住宅ローンを使って不動産投資を行っており、問題になったことが取り上げられたこともあります。

住宅ローンを投資用物件に使うのはそもそも御法度ですし、もしそういうやり方を提案してくる不動産会社がいたら、お付き合いするのは、絶対に避けて下さい。

社会的な信用を失って損するのは、他の誰でもない、あなたです!

今住宅ローンを組んでいるご自宅を、引っ越すなどで住まなくなる。
でも売却はせずに貸し出したい、というような時は、まずは、住宅ローンを借りている金融機関に、現状を包み隠さず話して相談してみて下さい。

不動産投資、不動産事業用のローンに借り換える提案をしてくれたり、例えば、転勤で3年の期間限定で賃貸に出したいなどが分かっている場合などは、住宅ローンのまま継続することを認めてもらえるようなケースもあります。

結局は、ローンを借りている金融機関に「無断で」資金使途違反の行為をしない、ということを忘れないことが、大切になってくると私は考えています。

FPオフィスケセラセラ横浜
斎藤 岳志 >>プロフィールをもっと見る

某百貨店に3年ほど勤務。色々な方との触れ合いを通じて、サービス・接客・対人関係の基礎を身につける

百貨店在職中に、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、資格取得をしたことをきっかけに、数字を扱う仕事に興味がわき、転職して、経理・税務という職種を経験。自身の強みとなっている。

また、プライベートな部分でも、株式投資に始まり、信用取引や商品先物取引、投資信託やFXなど、投資と名のつくものはだいたい経験し、その経験を経てくる中で、一番自分の性格とうまの合った不動産投資を2007年にスタートして以来、自分の資産運用に関しては、中古マンション投資を中心に金融資産の運用不動産を組み合わせたバランスを意識して取り組んでいる。

【所有資格】
CFP
相続診断士
終活アドバイザー
資産形成コンサルタント 

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