60代からの資産運用、定年後の生活を豊かに送りつつ資産運用もするには?

収支の見込を把握する

60代になって初めて、資産運用を始めたいという方が一定割合いらっしゃいます。

きっかけとしては、定年退職し、退職金として、まとまったお金が手元に用意できた、というケースが多いです。

インフレ傾向にある昨今を鑑みれば、お金を預貯金だけに置いておかず、株式や投資信託などの、いわゆるリスクのある資産にも振り分けることは、お考えとしては良いと感じます。

ただ、資産運用は闇雲に始めたり、行ったりしても良い結果にならないことは往々にしてありえます。

だからこそ、私は、現状や今後の収支状況を一度立ち止まって考えてみて下さい、とお伝えしています。
考えて整理した結果、公的年金の収入だけで、定年後の生活費を充分まかなえる可能性もあります。

反対に、公的年金では生活費が不足し、毎月預貯金などを切り崩しながら過ごすことが必要なことに気づくかもしれません。

定年後の資産運用は、行うに越したことはないですが、あくまでも日々の生活などを補完する位置づけとして取り組む姿勢が大切ではないかと私は考えています。

資産運用ありきではなく、現状や今後の生活をどのようなスタイルで送りたいのか、その生活スタイルを送る上で、収支はどうなりそうなのか?ここを出発点に考えることが大切です。

資産寿命を意識する!

資産寿命。あまり耳なじみがない言葉かもしれませんが、端的に言ってしまえば、今ある資産を取り崩して使う場合、何歳で無くなってしまうのか、を示した言葉です。

例えば、今65歳の方が2,000万円の資産を持っているとします。
毎月10万円、年間120万円取り崩して、生活費に充てた場合。

約17年後の82歳前後で、資産はゼロになってしまう
というイメージです。

前項で、収支の見込を考えることが出発点として大切だとお伝えした意図は、この資産寿命との兼ね合いを考える上でも必要になるからです。

定年後の生活を豊かに安心して過ごすには、この資産寿命を意識することも大切です。

資産寿命は、人生100年時代と言われている昨今においては、100歳までは維持できるように考えておくことが安心感を高めます。

資産寿命を伸ばすためには、

「働いて収入を増やす」
「支出を削る」
「資産運用を行って、資産が減るスピードを遅らせる」

ことなどが、選択肢として考えられます。

ここで初めて、資産運用を行う必要があるかどうかが、選択肢として出てくるのです。

資産運用の目標は堅実に

資産寿命との兼ね合いで、豊かに生活を送る上では資産運用も必要だという判断に至った場合。

忘れないで頂きたいことは、資産運用はあくまでも、生活をしていく上での補完として行うのだ、ということ。

そこで大切なことは、資産を増やすことを意識するのではなく、いかに減らさずに維持して資産寿命を伸ばすか、ということ。

例えばですが、昨今の日本のインフレ率は3%強だと 公表されています。

資産運用に取り組むにあたって、年間の収益として、インフレ率と同じ3%~4%を目指し、産み出せた利益分を取り崩すことで生活を維持できれば、資産の目減りも防ぐことができるという意味合いです。

定年後の生活を豊かに送りつつ、資産運用もするには、利益をたくさん得ることを目指すのではなく、生活を維持できるように、インフレに負けない運用成果を狙い、目減りさせないことを目指すという意識で資産運用に取り組むことが大切だと私は考えています。

60代からの資産運用は、「増やす」よりも「目減りしない」ことを目標に!

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FPオフィスケセラセラ横浜
斎藤 岳志 >>プロフィールをもっと見る

某百貨店に3年ほど勤務。色々な方との触れ合いを通じて、サービス・接客・対人関係の基礎を身につける

百貨店在職中に、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、資格取得をしたことをきっかけに、数字を扱う仕事に興味がわき、転職して、経理・税務という職種を経験。自身の強みとなっている。

また、プライベートな部分でも、株式投資に始まり、信用取引や商品先物取引、投資信託やFXなど、投資と名のつくものはだいたい経験し、その経験を経てくる中で、一番自分の性格とうまの合った不動産投資を2007年にスタートして以来、自分の資産運用に関しては、中古マンション投資を中心に金融資産の運用不動産を組み合わせたバランスを意識して取り組んでいる。

【所有資格】
CFP
相続診断士
終活アドバイザー
資産形成コンサルタント 

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