家計の現状を書き出してみる
インフレ傾向にある日本において、2025年4月時点では、実質賃金が名目賃金を下回る状況が続いています。
給与などの収入が増える以上に、モノやサービスの値段があがっているため、家計の負担感が高まっているというイメージです。
そんな物価高の中で過ごすと、家計、生活にゆとりを感じにくくなる方も多いかもしれません。
投資や資産運用の効果の1つに、今のような物価高の状況においても、家計の負担感を和らげるということがあります。

つまり、収入の伸び以上に物価が上がっている時に、その差額を投資の利益などで補い、生活スタイルを変えずに過ごせるというイメージです。
とは言え、投資、資産運用を始めた時期、経験年数など、状況はみなさん異なるので、効果を実感しにくいケースもありえます。
このように、投資、資産運用の効果、成果が異なるように、家計の状況も異なります。
家計、生活にゆとりがない、と現状感じているのであれば、一度、家計の収支を書き出してみる
数字を目にすることで、どういう点を改善すれば良いかが見えてくる場合もありますし、ゆとりがない、と気持ちの部分で感じているだけで、実は思っていたよりも家計の状況は悪くない、ということに気が付ける場合もあるからです。
今の生活を優先する
前項でお伝えした家計の現状を書き出してみることで、客観的に、あなたの収支のバランスを目にすることとなります。
その結果、思ったよりも家計は苦しい状況ではないことに気が付けたなら、貯蓄、投資にいくら回すかを、「手取り収入に対する割合」で決めて実践して下さい。

割合というのがポイントで、例えば手取りの10%を回すと決めた場合、30万円であれば3万円、20万円であれば2万円というように実践する。
そうすれば、手取りの多い少ないにかかわらず、毎月一定額は貯めていくことができるようになり、不安感も和らぐことにつながります。
一方、書き出してみた結果、貯蓄や投資に回すゆとりがほとんどない、という現状を目にすることとなった場合は、決して無理をしないで下さい。
支出の内容を見る中で、「この支出は減らすことができる」など、無理なく考えられる項目があるのであれば、支出をスリムにして、貯蓄や投資に回すお金を作ることができるに越したことはありません。

ただ、今すぐに改善できる余地がない、と判断したならば、投資を一旦、お休みするという選択をするのも良いと思います。
私達は、「今」を生きています。投資は、「今」よりも「未来」を優先する行動です。「未来」は「今」の延長上にしかないことを考えると、「未来」のために投資をしたいお気持ちも分かりますが、「今」を耐え、犠牲にしてまで投資は行うものではない、と私は考えています。
投資、資産運用は、決して無理をしてまで行うことではありません。
現状を踏まえて、「今」行うのは厳しいと判断したなら、
また再開できる時までお休みするというのも賢明な判断
できれば、少額でも続けて頂きたいです
前項で、現状の家計に改善できる余地がなく、厳しい場合、お休みするのも賢明な判断です、とお伝えはしました。
ただ、ファイナンシャルプランナーの立場としては、たとえ厳しい家計状態にあったとしても、できれば、お休みすることなく継続して頂きたい、というのが本音の想いです。
例えば、長期のつみたて投資を行っている場合、複利効果と言われる、雪だるまが、最初は小さくても、転がし続けることで、継続すればするほど、大きくなるスピードが速まるような効果があるからです。

投資に出すお金を休んでしまうと、その雪だるまの膨らみ方が遅くなり、それまで続けてきた資産の殖え方にも影響を及ぼすこととなってしまいます。

長期投資で複利効果を享受するために実践する方法として、NISAやイデコを利用した、投資信託のつみたてがあります。
イデコの場合は、毎月最低5,000円、NISAであれば、投資信託の商品にもよりますが、最低100円でも積立を継続することが可能です。
決して無理をして頂く必要はありませんが、今まで続けてきた投資、資産運用の成果を未来に向けて享受するために、上記の最低金額であったとしても、続けて頂くのが良いのでは、ということを、私はお伝えしたいです。
長期投資で複利効果を享受するために、最低金額であったとしても、続けるのがおすすめ
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FPオフィスケセラセラ横浜
斎藤 岳志 >>プロフィールをもっと見る
某百貨店に3年ほど勤務。色々な方との触れ合いを通じて、サービス・接客・対人関係の基礎を身につける。
百貨店在職中に、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、資格取得をしたことをきっかけに、数字を扱う仕事に興味がわき、転職して、経理・税務という職種を経験。自身の強みとなっている。
また、プライベートな部分でも、株式投資に始まり、信用取引や商品先物取引、投資信託やFXなど、投資と名のつくものはだいたい経験し、その経験を経てくる中で、一番自分の性格とうまの合った不動産投資を2007年にスタートして以来、自分の資産運用に関しては、中古マンション投資を中心に金融資産の運用と不動産を組み合わせたバランスを意識して取り組んでいる。
【所有資格】
CFP
相続診断士
終活アドバイザー
資産形成コンサルタント