ワンルームマンション投資。物件の購入費用の他にどんな費用がかかりますか?

購入時にかかる費用

株式売買などにかかる証券会社の手数料。

ネット証券では、無料にしている会社もあるように、手数料などの費用は、引き下げられる傾向にあります。

一方のワンルームマンション投資を始めとした不動産売買に関しては、良くも悪くも、人が介在する アナログな取引が主流です。

ネット証券のように、クリック1つで売り買いができる世界ではありません。
様々な立場の人間が介在するからこそ、株式売買などの金融商品と比べると、手数料などの費用はかかります。

一般的には、物件価格の5~7%前後くらいの費用が購入時にはかかってくると言われています

物件購入時にかかる主な費用

  • 「仲介手数料」
  • 「登記費用」
  • 「火災保険料」
  • 「印紙代」
  • 「(ローンを使う場合)金融機関に払うローン事務手数料」
  • 「(購入後半年~1年くらいの間に支払うことになる)不動産取得税」

上記が、先程伝えた、5~7%前後の費用の主な内訳と捉えて下さい。

保有時にかかる費用

不動産投資、大家業は、物件の購入は、ゴールではなくスタートです。

物件購入後、入居者さんに借りて住んで頂き、賃料を受け取り、ローンの返済もしながら収益をあげていく。

入居者さんに快適に住み続けて頂くことで、気持ちよく賃料を払って頂き、少しでも長く住んで頂けるように努めること。

これこそが、大家に求められることだと私は考えています

物件保有中にかかる費用、経費

  • 「固定資産税」
  • 「(委託をする場合)賃貸管理手数料」
  • 「(入居中や退去後に発生する)修繕費用」
  • 「(空室時に入居者募集を依頼する際にかかる)業務委託料」

上記が主なものとして考えられます。

賃貸管理手数料は、あなた自身で入居者さんとのやりとりをされるのであればかからない費用です。

また、最近は、賃貸管理手数料0円を始め、格安で行う会社も見受けられますが、賃料の5%前後かかるケースが多いと感じます。

賃貸経営という視点だけで考えれば、費用にあたるコストは低い方が利益はあがりやすく、手元に残るお金も増えますので、一見すると良いように感じます。

ただ、私は、「賃貸管理手数料はコストとしてカットせず、法外な手数料金額でなければ、払って委託した方が良いのではないか」と考えています。

特に何事もない平時であれば、賃貸管理手数料は高く感じるかもしれません。

ただ、生身の人間が住んでいること、設備の不具合などはいつ、どんなタイミングで起こるか分からないこと、などを考えると、賃貸管理を専門に行っている会社に委託することは、安心感にもつながると私は考えています。

つまり、賃貸管理手数料は、安心感を得る保険料のようなイメージの費用だという意味合いです。

賃料の5%前後の支払いで、それを業務にしている方々のノウハウや経験を活用できるなら、安い費用だとは思いませんか?

売却時にかかる費用

「物件の入れ替えをしたい」

「現金化して、必要なことに使いたい」

など、賃貸経営が順調に進んでいる中でも、売却して手放すタイミングが訪れることもありえます。

物件売却時にかかる費用

  • 「譲渡税」
  • 「仲介手数料」

が、主な費用になってきます。

譲渡税に関して、個人の方を想定してお伝えしますが、

「売却価格 > 帳簿価格」の時に、その差額にあたる「利益」に対してかかってくる税金です。

良くある勘違いは、例えば、2,000万円で購入したワンルームマンションが、2,000万円で売れた時、利益はゼロなので、譲渡税はかからない、と考えている方がいらっしゃいますが、それは間違いです。

保有している間に、減価償却費として一定額ずつ、建物分が経費になり、経費になった金額分、帳簿上の価格は下がることになります。

そのため、先程の例のように、仮に購入時と同額で売れたとしても、売却時までの保有している間に、減価償却で経費に入れた金額の合計が300万円あったとすれば、帳簿価格は1,700万円となります。

この時、2,000万円-1,700万円=300万円が利益となり、この300万円に譲渡税がかかってくる、というのがイメージです。

ちなみに譲渡税は、長期に該当する場合は約20%、短期に該当する場合は約40%です。

この違いは、保有した後、1月1日時点で、保有している期間が5年以下の場合が短期、5年を超える場合が長期です。

これも良くある勘違いで、購入から5年と思っている方がいらっしゃるのですが、1月1日時点で、ということを忘れないで下さい。

これを分かりやすくするために、私は「お正月を6回迎えたら長期になります」というご案内をしています。

譲渡税は、あくまでも利益が出た場合の税金になるので、必ずしもみなさんにかかる訳ではありませんが、5年超か5年以下かで、税率が大きく異なります。

費用面から考えれば、5年超の方が、手放した時の手残りが増えるという点では、賢明な選択になるのではないか、と私は考えています。

売却で益が出た場合の譲渡税は、5年超で約20%、5年以下で約40%

まとめ

このように、購入時、保有時、売却時、それぞれに費用がかかってくるのが、不動産投資、大家業です。経営者目線で言えば、コストが少ない方が、利益が上がりやすくなるのはもっともですが、損得のコストだけで計り切れない部分があるのも、不動産投資、大家業の特徴だと私は考えています。

無理に多くの費用をかける必要はありませんが、必要な費用まで削りすぎないように、バランスを意識して考えることが、不動産投資、大家業を、長く、安定して続けるコツの1つではないかと私は考えています。

関連ラジオ:「不動産投資、初期費用はどのくらい用意すれば良いの?」

ラジオ音源「資産運用に不動産ってあり?あなたの疑問に答えます」>>

FPオフィスケセラセラ横浜
斎藤 岳志 >>プロフィールをもっと見る

某百貨店に3年ほど勤務。色々な方との触れ合いを通じて、サービス・接客・対人関係の基礎を身につける

百貨店在職中に、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、資格取得をしたことをきっかけに、数字を扱う仕事に興味がわき、転職して、経理・税務という職種を経験。自身の強みとなっている。

また、プライベートな部分でも、株式投資に始まり、信用取引や商品先物取引、投資信託やFXなど、投資と名のつくものはだいたい経験し、その経験を経てくる中で、一番自分の性格とうまの合った不動産投資を2007年にスタートして以来、自分の資産運用に関しては、中古マンション投資を中心に金融資産の運用不動産を組み合わせたバランスを意識して取り組んでいる。

【所有資格】
CFP
相続診断士
終活アドバイザー
資産形成コンサルタント 

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