遺す相手は誰ですか?
50代から終活を意識して始めようとされていること、すごく良いと思います。
残りの人生、終わりがいつくるかは、神のみぞ知る、です。
だからこそ、今を大切に生き、過ごすためにも、終わりを意識して考えておくことは大切なことだ、と私も考えています。
そんな終活で、何から始めたら良いか?
ということですが、最初は「現状把握・確認」 から始めるのが良いと私は考えています。

具体的に言えば、
「あなたがお亡くなりになった時、あなたの資産を受け取る方は誰なのか?」
「あなたがお亡くなりになった時、あなたの想いや身の回りの整理などをしてくれるのは誰なのか?」
のように、
「あなたが亡くなった時に、影響を及ぼす相手が誰なのか?」を、身内、家族に限らず、人間関係面など含めて、整理して書き出してみることから始めるのが良いのではないかと思います。
遺せる資産には何がありますか?

影響を及ぼす人の確認ができたら、次にすることは、その方々に引継ぎ、遺すこととなる資産として、どのようなものを持っているか、を整理、確認することです。
よくある代表的なものをあげると、
「ご自宅」
「銀行や証券会社の口座」
「保険」
あたりでしょうか。
不動産は目に見える現物が存在します。
口座や保険に関しても、通帳や保険証券が手元にあれば分かりやすいです。
ただ、最近は、郵便物が届かず、ネットの中だけで完結している口座や保険も増えています。
デジタル資産と言われたりもしますが、ネット上だけで手続きや資産の管理をしている場合、なんらかの形で書き残しておかなければ、遺された方が気づくことができません。
気付かず、知らなかったことが原因で、相続財産から漏れてしまい、あとから指摘を受けるというケースも、昨今は増加傾向にあります。
誰に、何を遺すのかということを、遺言に認める所までできれば申し分ないですが、そこまで気持ちが向かない場合でも、
「目に見えない資産(デジタル資産)が、どこにどれだけあるのか」
ということを、ログインIDやパスワードと共に、遺された方が分かるようにしておくことが必要です。
自分が使う楽しみも大切に!
ここまで、遺される「人」と「資産」を確認して、把握しておくことが、最初に終活を考え、始めることとして 必要だとお伝えしました。
このように、遺された方への配慮を考えることも終活ではもちろん大切なのですが、それと同じく、大切だと私が考えていることがあります。
それが、「今のお金の使い方」です。
お子様など含めて、遺された資産を受け取れることは、嬉しさを感じることにつながるとは思います。

ただ、それと同時に、「そんなに資産を遺さず、自分のためにもっと使えば良かったのに・・・」のように、遺されたご家族などが感じるケースもあるのです。
そこで考えて頂きたいことが、
「残りの人生の中で、お金をどう使っていくか。どう使いながら、人生を楽しんでいくか」
ということです。
資産形成などを通して、資産を築いたとしても、お金は持っているだけでは価値を産み出しません。
手元にある資産、お金を、あなた自身のため、周りの方のためなど、自分の気持ちが前向きになれることに使って初めて価値が産まれてくるのがお金という存在です。
まとめ

終活という終わりを意識して、亡くなった後のことに想いを馳せることも大切ですが、それと同時に、
「終わりに向けて、あなた自身がどう資産を活用して、楽しく過ごしていくか。」
この点も意識して、バランスの良く考えながら、終活を考えて頂きたいと切に願います。
関連ラジオ:相続の準備って、何から始めれば良いの?

FPオフィスケセラセラ横浜
斎藤 岳志 >>プロフィールをもっと見る
某百貨店に3年ほど勤務。色々な方との触れ合いを通じて、サービス・接客・対人関係の基礎を身につける。
百貨店在職中に、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、資格取得をしたことをきっかけに、数字を扱う仕事に興味がわき、転職して、経理・税務という職種を経験。自身の強みとなっている。
また、プライベートな部分でも、株式投資に始まり、信用取引や商品先物取引、投資信託やFXなど、投資と名のつくものはだいたい経験し、その経験を経てくる中で、一番自分の性格とうまの合った不動産投資を2007年にスタートして以来、自分の資産運用に関しては、中古マンション投資を中心に金融資産の運用と不動産を組み合わせたバランスを意識して取り組んでいる。
【所有資格】
CFP
相続診断士
終活アドバイザー
資産形成コンサルタント