もうすぐ70代。相続を考え始めたいのですが、何から始めたらよいですか?

最初は現状確認から

もうすぐ70代で、相続のことを考えようとされていること、すごく尊敬致します。

自分が死んだ後のことは、遺った家族に任せれば良い、という想いでいる方が多い中、あなたはすごく、ご家族想いの優しい方だとお見受けしました。

そんなあなたに、最初にお伝えしたいこと。

それは、「今、どこに、どんな資産を保有しているかを把握して、一覧にまとめること」です。

相続と関連が深く、問題になりがちなことの1つとして、遺された資産をどう分けるかがあります。

遺されたご家族が、どう資産を分けるかを考える時に、そもそもあなたが、どこに、どのような資産を持っているかが分からないと、大変な気苦労などをかけることにつながります。

だからこそ、最初にするべきことは、金融機関、証券会社、不動産など、あなたがどこに、どんな資産を持っているかを、一目で見て分かるようにすることだと、私は考えています。

誰に、何を遺したいですか?

あなたの資産の一覧をまとめたら、次にすることは、
「誰に、何を遺したいか?」というあなたの想いを整理することです。

例えば、配偶者には自宅とA銀行の預金。お子様には、証券会社で保有している株式とB銀行の預金。
というようなイメージです。

相続には「法定相続分」という割合があり、相続人はその割合に応じて資産を受け取る権利があります

そこを意識してどう遺すかを考えることも必要ですが、最初は割合を意識せず、あなたが純粋にどうしたいか?という 想いだけで、考えてみて下さい。

勘定よりも感情を大切に!

あなたの資産の一覧がまとまり、あなたの想いとして、誰にどう遺したいか、という所まで整理ができたなら、次にすることは、話し合うことです。

つまり、あなたに相続が発生した時に、あなたの資産を受け取ることになるご家族と、コミュニケーションをとることです。

もちろん、あなたがお亡くなりになるのは、いつになるかは分からないので、現時点での話にはなりますが、資産の一覧を共有し、現時点では、こういうように遺したいと考えているという、あなたの想いを、ご家族に伝えて下さい。

その想いを受け止めたご家族は、

あなたの想いを踏まえた資産の相続で納得するかもしれませんし、「私はこう考えている」などの意見が出てくるかもしれません。

相続でご家族が仲違いするきっかけとして、相続財産を分ける際の意見の違いによることというのが往々にしてあります。

これが起きる原因は、資産を分ける時に、遺したあなた自身がいない所で話さなければいけないということがあるからだと私は感じています。

だからこそ、あなたが元気で生きている間に、ご家族同士で資産の分割について、意見の相違が生じたとしても、ご家族の想いも受け止めて、どうするのが円満な相続につながるのかを、あなたを交えて、しっかり話し合うことができるのです。

まとめ

あなたの想い、ご家族の想い、双方を踏まえてコミュニケーションを取ることで、ご家族同士で納得ができる話し合いができたなら、あなたがお亡くなりになり、相続が発生したとしても、仲違いして、険悪になる事態も回避できるはずです。

そして、納得できる話し合いができたなら、後日、お互いに齟齬が生じなくするためにも、遺言という形で書き残しておくことができれば、さらに良いです。

法定相続分の話を先程しましたが、ご家族同士が納得していれば、必ずしも法定相続分通りに分けなくても問題はありません。

相続財産のことを考える時は、お金の勘定の視点ではなく、あなたやご家族の感情を大切にして考えることが何よりも大切なことではないか、と私は考えています。

関連ラジオ:相続の準備って、何から始めれば良いの?

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斎藤 岳志 >>プロフィールをもっと見る

某百貨店に3年ほど勤務。色々な方との触れ合いを通じて、サービス・接客・対人関係の基礎を身につける

百貨店在職中に、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、資格取得をしたことをきっかけに、数字を扱う仕事に興味がわき、転職して、経理・税務という職種を経験。自身の強みとなっている。

また、プライベートな部分でも、株式投資に始まり、信用取引や商品先物取引、投資信託やFXなど、投資と名のつくものはだいたい経験し、その経験を経てくる中で、一番自分の性格とうまの合った不動産投資を2007年にスタートして以来、自分の資産運用に関しては、中古マンション投資を中心に金融資産の運用不動産を組み合わせたバランスを意識して取り組んでいる。

【所有資格】
CFP
相続診断士
終活アドバイザー
資産形成コンサルタント 

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