あなたは、今、どの状況にいらっしゃいますか?
投資信託は、NISAの対象になる銘柄、ならない銘柄合わせて、日本では約6,000種類あると言われています。
その中で、おすすめしない銘柄について聞かれた場合。私は、1つの質問を投げかけています。
その質問とは、
「あなたは、今、どの状況にいらっしゃるか?」ということです。
「将来に向けて、資産形成をしているのか?」(資産形成期)
「資産を活用して、生活費などにあてていく段階なのか?」(資産活用期)
大きな括りとしては、この2つに分けられます。
どちらの状況にいらっしゃるかで、おすすめしない銘柄も変わってくるので、次項からお伝えしていきます。
資産形成期の場合
資産形成期にある場合、おすすめしない銘柄は、「複利効果を得にくい商品」です。
具体的に言えば、「分配金を出す商品」です。
資産形成期では、投資信託から産まれる利益を今使うのではなく、産まれた利益も含めて運用を続けて、
利益がさらに利益を産み出す再投資を行っていくことが必要になります。
この再投資を行うことで、あなたの資産の殖え方が継続すればするほど、大きくなっていくのです。
雪だるまを作る時をイメージしてみて下さい。
最初は小さかった玉が、雪の上をころころと転がすうちに、どんどん大きくなっていくと思います。ころがしている内に、雪に雪がまとわりついて、ある程度まで進むと、玉が大きくなるスピードが速くなっていきますよね。
まさに、これが、資産運用における「複利効果」のイメージです。
つまり、最初は、小さかった資産でも、コツコツと積立投資を継続することで、投資信託という玉がどんどん大きくなっていく。
玉が大きくなれば、そこから産まれる時の利益の金額も大きくなり、資産の殖え方も、大きくなっていくのです。
例えば、10万円で10%の利益の場合は1万円ですが、100万円で10%の利益であれば、10万円になります。
この産まれた利益を、その時に使ってしまうことなく、運用に継続的に回すことで、利益が産まれる元となる玉に相当する投資信託が膨らみ、資産が形成されるスピードもあがっていくようになるのです。
この膨らみを享受するためには、分配金を受け取ることはスピードを遅らせることにつながるので、資産形成期の場合、分配金を出す投資信託は、おすすめしにくいのです。
資産形成期には再投資できる複利効果のある投資信託がおすすめ
資産活用期の場合
資産活用期とは、今まで築いてきた資産を使う段階、つまり、定年などを迎えて働いて得る収入が減り、年金などを頼りにしながら生活をするような段階と捉えて下さい。
資産運用、資産形成をすることが好きであれば、継続することは、資産を減らさず守ることにもつながるので、良いとは思います。
ただ、あの世にお金は持っていけません。
また、みんながみんな、資産運用が好きなわけではありません。
そう考えると、年金を受け取るような年代になった時は、資産形成期と反対で、複利効果を享受するような商品を、積極的にはおすすめしにくいと私は考えています。
それよりは、今まで築き上げた資産を使って、生活を守り、楽しみを享受できることにお金を使っていくことが大切な段階とも言えるかもしれません。
その段階であれば、資産形成期の反対で、分配金を定期的に受け取れるような投資信託の方が、向いているかもしれない、と感じます。
つまり、投資信託を保有していることで、毎月とか半年ごとなどに、定期的にあなたのお財布にお金をもたらしてくれることで、その受け取ったお金を年金プラスの収入として使いやすくなる、というイメージです。
資産活用期には分配金を定期的に受け取れるような投資信託がおすすめ
まとめ
このように、あなたが今いる状況、段階に応じて、どんな投資信託を選ばない方が良いのかは変わってきます。
また、あなたの投資と向き合う考え方によっても変わってきます。
自分の気持ちと状況を踏まえて、資産として保有していてストレスを感じない商品を選ぶことが、
何よりも大切なことだと私は考えています。
関連ラジオ:「毎月分配型の投資信託って選んじゃダメですか?」
ラジオ音源「資産運用に不動産ってあり?あなたの疑問に答えます」>>
FPオフィスケセラセラ横浜
斎藤 岳志 >>プロフィールをもっと見る
某百貨店に3年ほど勤務。色々な方との触れ合いを通じて、サービス・接客・対人関係の基礎を身につける。
百貨店在職中に、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、資格取得をしたことをきっかけに、数字を扱う仕事に興味がわき、転職して、経理・税務という職種を経験。自身の強みとなっている。
また、プライベートな部分でも、株式投資に始まり、信用取引や商品先物取引、投資信託やFXなど、投資と名のつくものはだいたい経験し、その経験を経てくる中で、一番自分の性格とうまの合った不動産投資を2007年にスタートして以来、自分の資産運用に関しては、中古マンション投資を中心に金融資産の運用と不動産を組み合わせたバランスを意識して取り組んでいる。
【所有資格】
CFP
相続診断士
終活アドバイザー
資産形成コンサルタント