不動産投資で「損」しない秘訣。それは何?

不動産を使った資産形成をしたい。

株式などの資産運用の経験を経て興味を持たれる方。
資産運用をこれから始めようと検討する中で興味を持たれる方。

不動産投資に興味を持つきっかけはそれぞれですが、共通しているのは、「安定した収入源を得たい」という想いだな、と感じます。

私自身もそうですが、本業以外からの収入源を複数作りたい気持ち、と言い換えても良いかもしれません。

そんな賃料という安定収入を得るのに向いている不動産投資で、「損」をしない秘訣は、何だと思いますか?

私が考えている「損」をしない秘訣。

それは、「売り買いを繰り返さないこと」です。「一度手に入れた物件は、基本的に手放さないこと」です。

もしかしたら「そんなことか」と思われたかもしれません。
たしかに「そんなことか」なのですが、そうは言っても、「そんなこと」なのです。

具体例をあげて考えてみます。

築20年で価格2,000万円。賃料から管理費や積立金を引いた手取りが7万円の物件があるとします。
この物件を「30年保有した場合」と「10年毎に同じ条件の物件に買い替えた場合」で比較してみます。
前提として、手取り賃料は、10年ごとに1割下がり、物件価格は、変わらないと仮定します。(イメージを分かりやすくするために、税金や修繕費は勘案しません)

最初に、30年保有し続ける場合を考えます。

購入初年度~10年目は、【7万円×12ヶ月×10年で「840万円」】11年目~20年目は1割下がる前提なので、【6.3万円×12ヶ月×10年で「756万円」】
同じように21年目~30年目も考えると、最初の7万円から2割下がるので、【5.6万円×12ヶ月×10年で「672万円」】

上記30年を合計すると、「2,268万円」となります。

次に、10年毎に買い替える場合を考えます。
同じ条件の物件に買い替えていくことになるので、手取りの賃料は30年間同じとなり、【7万円×12ヶ月×30年で「2,520万円」】です。

10年目と20年目同じ条件の物件に買い替えるということは、売買をすることになります。価格は変わらない前提ですが、売買に伴って費用がかかります。
物件価格は2,000万円なので、【仲介手数料が「726,000円」】かかります。

これが、10年目の売却と購入、20年目の売却と購入の合計4回発生するので、【726,000円×4=「2,904,000円」】

その他、登記やローンの手数料などの諸費用が、購入時と売却時合計で50万円かかるとすると、10年目と20年目の2回発生するので、【合計で「100万円」】

【仲介手数料とその他費用の合計は「3,904,000円」】となるので、手取り賃料の2,520万円から費用をマイナスすると【約2,130万円】となります。

30年、同じ物件を持ち続けた場合、賃料が10年ごとに1割下がる前提で考えたとしても、30年間の手取りは「2,268万円」
一方、賃料が下がらないように、物件の買換えを行った場合、売買時の諸費用を勘案すると、30年間の手取りは「2,130万円」

保有した場合と買い替えをした場合、保有継続した場合の方が、手取りで「138万円」多くなるのです。

つまり、古い物件だと損してしまいそうだという想いから、新しい物件への買換えをしていくと、それが10年スパンであっても、手数料負けしてしまう可能性があるのです。

賃料の手取りが、築年数に応じて下がったとしても、です。
実際の所、賃料が下がるかどうかは分かりませんし、物件価格も維持できるとは限りません。

つまり、賃料は維持できる可能性、反対に上がる可能性もあり、価格に関しては、売却する時に上がる可能性も下がる可能性もあります。

なので、売買して、買い替えをすることが、必ずしも「損」をするとも言い切れないのですが、売買時の「手数料」を考えると、保有継続する方が、賃料は下がっても、トータルでの手残りが多くなり、「損」をする可能性は下がると私は考えていますが、あなたはどう思いますか?

FPオフィスケセラセラ横浜
斎藤 岳志 >>プロフィールをもっと見る

某百貨店に3年ほど勤務。色々な方との触れ合いを通じて、サービス・接客・対人関係の基礎を身につける

百貨店在職中に、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、資格取得をしたことをきっかけに、数字を扱う仕事に興味がわき、転職して、経理・税務という職種を経験。自身の強みとなっている。

また、プライベートな部分でも、株式投資に始まり、信用取引や商品先物取引、投資信託やFXなど、投資と名のつくものはだいたい経験し、その経験を経てくる中で、一番自分の性格とうまの合った不動産投資を2007年にスタートして以来、自分の資産運用に関しては、中古マンション投資を中心に金融資産の運用不動産を組み合わせたバランスを意識して取り組んでいる。

【所有資格】
CFP
相続診断士
終活アドバイザー
資産形成コンサルタント 

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