ブログ不動産投資が、長期の積立投資である理由。
「長期・分散・積立」
長期にわたる資産形成において、大切だと言われているキーワードです。
老後2,000万円問題が話題となるきっかけになった、2019年の金融審議会の報告書の中でも、
収益がバラつきにくくなり有効であると書かれています。
この長期・分散・積立というキーワードは、主に、金融資産での資産形成を念頭に言われています。
つまり、長く継続して、価格が高い時には少なく、低い時には多く購入する、購入時期の分散を図りながら積み立てを行うことで、
平均取得単価を 抑えて、安定収益が得やすくなる、というイメージです。
「ドルコスト平均法」と言われる方法を利用しながら、資産形成をすることをモデルとして 考えているという内容かと私は捉えています。
何事もバランスが必要なので、金融資産と実物資産の代表である不動産を組み合わせながら資産形成をするのが良いと思いますが、
この長期の積立投資というキーワードが、 金融資産だけでなく、不動産投資にもあてはまる、と私は考えています。
その理由は、「返済する元本の金額は、あなたの資産になる」からです。
これは、融資を利用して不動産投資をした場合の利点になるのですが、融資を利用して不動産投資を行う場合、毎月の返済が発生します。
その毎月の返済金額の内訳は、「元金」と「利息」になります。
この「元金の返済分」=「毎月のあなたの資産の積立金額」になる、ということが、不動産投資が、長期の積立投資である理由です。
例をあげて、お伝えしていきます。
2,000万円の区分マンションを、2,000万円の融資を受けて購入し、
賃料が85,000円、管理費修繕積立金が12,000円、ローンの返済額が68,000円とします。
返済額の内訳は、分かりやすくするために、元金34,000円、利息34,000円とします。
この場合、毎月のお金の流れとしては、
85,000円-12,000円-68,000円=5,000円のプラス。
年間にすると、12ヶ月で60,000円のプラスとなります。
(話のイメージを分かりやすくするために、税金などは加味していません)
これだけを見てしまうと、
「年間で60,000円しか、あなたの資産が殖えてない」
と感じてしまうかもしれません。
ただ、それが、大きな勘違いです。

あなたの通帳には現れない所で、資産は「408,000円」殖えているのです!
「しかも、あなた自身のお金を使わずに!」
この408,000円は、先程の例の前提条件で伝えた、元金34,000円の12ヶ月分です。
しかも、この408,000円は、入居者さんから受け取った家賃から積み立てている イメージになるので、
あなた自身のお財布からお金を出さずとも、資産が殖えている状態を作ることができる。
これが、不動産投資が、積立投資であることの内容になります。
つまり、目には見えないけれど、含み利益のような形で、元金を返済して減った分、 あなたの資産は殖えている状態になる、ということです。
では、この含み利益としての積立投資相当分が、目に見えてくるタイミングはいつになるのでしょうか?
それは、あなたが「その物件を売却した時」です。
先程の物件を保有してから10年後をイメージして下さい。
毎年の元金が408,000円減っているとすれば、あなたの資産は10年後約400万円殖えていることになり、
ローンの残債は約1,600万円に減っています。
その時に、賃料などの下落も抑えられていて、購入時と同額の2,000万円で売却できたとすれば、
あなたの手元には、売却価格の2,000万円から残債の1,600万円を返済した差額の400万円が通帳に残ることになります。
つまり、10年間、受け取った賃料で元金の返済を行った分が、売却をすることを 通して、
現金として受け取れた、ということです。

毎月34,000円の積立が、10年で400万円という現金として手に入り、しかもその原資は
あなたではなく、入居者さんが、あなたの資産形成のために、コツコツと積み立ててくれた、
という状態を実現できるのです。
物件が、10年後に同じ値段で売却できる保証はありません。
空室期間が生じれば、あなた自身が一時的に元金分を補填している可能性もあります。
ただ、賃貸需要の高いエリア、立地の良い場所に物件を保有していれば、空室期間は限りなく短期間で抑えられるので、
あなたの補填分は少なく、また物件価格の下落も限りなく抑えることができると私は考えています.
融資を使うことが怖い、抵抗があるという方もいらっしゃると思いますし、そのお気持ちも分かります。
ただ、融資を使うことで、「元金の返済分=積立投資をしている=あなたの資産が殖えている」
しかも「あなた自身のお金を使わずに」
不動産投資は、長期保有、長期投資に有効な資産形成ですが、物件によって、
「年金代わりに賃料を受け取る、売らない物件」と
「元金の返済で積み立てたお金を売却して現金化する物件」
このように2種類に分けて考えながら、保有していくという考え方も良いのではないか、と私は考えています。