ブログ不動産は金利に敏感です!

「首都圏の新築マンション、平均価格がバブル期越え」

 

不動産経済研究所によると、2021年の首都圏の新築マンションの平均価格は6,260万円となり、バブル期の6,123万円を上回ったと発表されました。

 

中古マンションの平均価格に関しても、東京カンテイによると、2022年9月は4,777万円となり、17ヶ月連続で値上がりしていると発表されました。

 

賃金は、バブル期以後、約30年近くにわたって、他国と比べると上がり幅が小さく、物価もデフレ基調にあり、モノの値段が上がらない状況の中にあって、なぜ不動産価格の平均値は上がったのでしょうか?

 

原因の1つ。それが「金利」です。

 

金利次第で、借りられる金額も変わり、借りられる金額次第で、買える不動産も変わってくるからです。

 

具体例をあげて、お伝えします。

 

約30年前のバブル期の頃、住宅ローンの金利は約7%でした。

 

一方、2022年10月時点で、住宅ローンの最低金利は約0.3%です。

 

6,000万円のマイホームを、全額住宅ローンを利用して購入しようとした場合、毎月の返済金額は、30年前と今で、どのくらい違うでしょうか?

35年のローンを組んで、元利均等返済をする前提で考えてみます。

 

 

金利7%の場合、毎月の返済額は、約38万円です。

金利0.3%の場合、毎月の返済額は、約15万円です。

 

金利の差が6.7%あることで、毎月の返済金額には、約23万円もの大きな差が生じてきます。

 

 

つまり、30年前と比べて、毎月の返済金額の負担が約23万円少ないにも関わらず、6,000万円という金額を借りることができ、6,000万円のマンションを購入することができてしまうのです。

 

 

では、30年前と現在、年収で考えると、いくらくらいの人であれば、この6,000万円のマンションを購入できるのでしょうか?

 

住宅ローンの場合、金融機関などでよく利用される指標して、返済比率が用いられます。

年収400万円未満は30%まで、年収400万円以上は35%までがローンの年間返済額として、勘案されます。

 

これを、先程考えた、金利7%の約38万円の返済、金利0.3%の約15万円の返済に当てはめて考えてみると、

 

 

金利7%の場合

38万円×12ヶ月=456万円。上限の35%で考えた場合、

456万円÷35%で、年収は約1,300万円が必要。

 

金利0.3%の場合

15万円×12ヶ月=180万円。上限の35%で考えた場合、

180万円÷35%で、年収は約510万円が必要。

 

 

このように、同じ6,000万円のマンションを購入しようとした場合でも、金利によって、求められてくる年収は大きく異なるのです。

 

価格が決まる要因は、需要と供給のバランスと言われますが、不動産の価格に関しては、それに加えて「金利」も考える必要があります。

 

現在の低金利、金融緩和が継続しているからこそ、賃金が上がっていない状況下にあっても、多くの金額を借りて、ローンを組むことができる。

30年前より年収が低くても、多くの金額を借りることができてしまう。

 

これが、新築マンションや中古マンションの平均価格があがっている要因ではないか、と私は考えています。

 

 

日銀の総裁も、当面金利をあげる予定はないと断言しており、今の低金利環境は、しばらく続くものと思われます。

 

ただ、国内でもコスト要因でモノの値段が上がり始めており、インフレ傾向が出始めています。

 

 

インフレ抑制に躍起になっているアメリカでは、2022年10月現在、30年固定の住宅ローン金利が、約20年ぶりに、7%近くに上がっています。

 

日本も決して、対岸の火事、ではありません。

 

さすがに、バブル期の時のような7%へ、いきなり上昇する可能性は低いと思いますが、

数年内には、少なからず上がる可能性はあると思います。

 

金利は、いつ、どのタイミングで上がるかは、誰にも予測できません。

 

だからこそ、「借りられる金額」と「借りて良い金額」を考えること、そして、仮に金利が上がったとしても、家計に負担が重くならないような対策を行うこと。

 

今からできる備えをしておくのが良いと私は考えていますが、あなたは、どう思いますか?

 

 

 

2022年10月26日